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10/30  東京支部秋季特別講習会 10月の花50 −皆んなで楽しむ花の出会い−

10月28日(日)に、東京支部秋季特別講習会に行ってきました。
研究員名誉院長、工藤和彦先生の講習会です。
全8回の最終回でした。

先生がお若い頃、大宅壮一郎氏と討論をした際に、大宅氏が、「いけばなというのは、天狗俳諧のようなものですね」とおっしゃったそうです。
天狗俳諧とは、俳句の五・七・五それぞれの句を別々の人が詠んで、思いがけない面白い句が生まれるという江戸時代の俳句界の遊びだそうで、お花の取り合わせの面白さをなぞらえておっしゃったのだろうというお話でした。

今回は、その天狗俳諧にちなんで、講義を受ける私たちが3人あてられて、それぞれの人が用意された50種類の中からひとつずつ花材を選んで計3種の花材を先生がおいけになるという趣向です。
花材に合わせて花器は先生が選びます。
12杯いけられるので、12×3で36人があたります。
ぼやぼやしてはいられません。
3人のうち最初に指名されれば好きな主材を言えばすみますが、2番目と3番目の人は、前の方が選んだ花材に合った花材を選ばなければなりません。
進行役の先生は、「ユニークな取り合わせで、先生を困らせてあげてください」などとおっしゃいますが、あまり変な取り合わせでは笑われてしまうのではないかと心配になります。

一応花材のリストは手元にいただくのですが、実際に置かれている50種類の花材とリストにある名前とが一致しない(わからない〜)ものもあり、ドキドキして泣きそう!

今回、工藤先生がいけられた取り合わせを12杯全て紹介します。
先生が後ろからいけられたお花ですので、写真は小さいままにしました。
雰囲気だけ汲み取ってくださいね。

@あけび、どうだんつつじ、リンドウ(白)・・・とても好きな組み合わせでした。つるものの留め方も勉強になりました。
Aフォックスフェイス、きささげ、フィロデンドロン・セローム・・・かたむけるかたちでした。きささげに動きがあって迫力があります。
Bざくろ、ススキ、トリカブト・・・先生が選ばれた深い色合いのアンティークのガラスの花器が、花材ととってもマッチしていて素敵でした。

Cひいらぎ南天、小菊、山しだ・・・最初にあてられた方が主材にはならない「山しだ」とおっしゃったので、先生が「水の音、かわずとびこむ・・・の順になりましたね」とおっしゃっていました。
D柿、鶏頭、きいちご(紅葉)・・・秋らしい取り合わせ。
E紫式部、百合(ルレーブ)、かえで・・・紫式部があまり良いものでなく、石化しかけていました。かえでを主材にすると紫式部が沈んでしまうので、とあえて紫式部を主材になさいました。それにしてもみごとな紅葉!

Fゴールドクレスト、ピンクッション、ホトトギス・・・最後の方が「ホトトギス」とおっしゃった瞬間に会場がどよめきました。
G萩、グロリオーサ、ニューサイラン・・・工藤先生が「いける身にもなってよ」と笑っておっしゃった取り合わせ。萩があまり良いものではなく、「花屋も花屋」だな(花茂さん、ゴメンナサイ)とおっしゃいながら、「困ったときの花舞い」と花舞いの花型でいけられました。
Hほうきぎ、カサブランカ、ドラセナゴッドセフィアーナ・・・ほうきぎの赤と、カサブランカのおしべの赤が組み合わさってきれいな色彩だと思いました。

Iストレリチア、アレカヤシ、雪柳・・・雪柳がちょっと仲間はずれ花材ではありますが、「まんざらでもないでしょ」と先生。アレカヤシをちょっと形作って面白くいけてくださいました。
Jアロカシア、ニシキギ、サンダーソニア・・・取り合わせを聞いて先生は目をくるんと回されました。
Kサンキライ、アンスリューム、ウラジロ・・・すごいな、先生。ゴージャスでかっこいい!

というわけで、私は指名されることなく無事に過ぎました。
花材の名前を覚えること、取り合わせを自分で考えられること、それも上達のための要素のひとつです、とおっしゃっていました。

今日で最後の講座ですが全8回、96杯をいけられたわけですが、ひとつとして同じ組み合わせは出てこなかったそうです。
「限られた花材の取り合わせでも思いつくのは人それぞれですね」と、先生も感慨深くおっしゃっていました。
私たちも緊張しましたが、先生もすべてぶっつけ本番、楽しいおしゃべりをしながら次々と手品のようにいけていかれる様子にところどころで拍手とため息が・・・。

見て聞くだけではなく、今回のような参加型の講習会は緊張しますが楽しかったです。
大きな講堂ではなく、小原流会館の2階で先生と近い距離で受けられたのもよかったです。
講堂だと先生のお手元は見えませんから。



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